ストーリー
青井先生との出会いと独自の歩み
私のシフォンケーキの師匠は、今でも心から尊敬し、大好きな鎌倉シフォンの青井先生です。
10年以上前、当時私がパン教室の講師をしていたハッピークッキングに、青井先生がレッスンのためにおいでになったのが、最初の出会いでした。
「自分の自宅パン教室でデザートにお出しできたらいいな」と、3回コースを受講することにしたのです。
その初回に、先生が持ったきてくださった試食の美味しさに感動し、レッスンの帰り道、六本木の本屋さんで「鎌倉しふぉん」の本を購入し、型を買い、練習を始めました。サイン入りのその本は、私のシフォン作りの原点です。
『100台焼いてスタートライン』
先生が放ったその言葉を胸に、残りの受講期間である2ヶ月で「100台焼き上げた初めての生徒」と、先生が今でも私のことを覚えていてくださるのは、本当に有り難く、光栄なことです。
その後、三鷹、調布と、シフォンケーキの販売を続けてまいりましたが、その間、シフォンに関する情報をシャットアウトしていました。ちまたには、プロ顔負けの綺麗なシフォンを焼く方の情報が溢れており、心が迷ってしまうからです。
「美味しければいいのよ。」という青井先生のおまじないのような言葉を心の支えに、自分の感覚を信じて作り続けてきました。
そしてこの度、「Airy 33 Chiffon Lab」を立ち上げるにあたり、今更ながら様々な情報に触れ、改めて自分のシフォンを見つめ直し、試作を繰り返しました。
そこで初めてあることに気がついたのです。
ずっと青井先生の背中を追いかけているつもりだったのに、先生から頂いた大切な基礎を土台にしながら、いつの間にか私自身はまた別の食感(儚さ)を追い求めるシフォン作りをしていたのだ、と。
このLabでお伝えするシフォンは、「どんなハンドミキサーでも大丈夫です」とは言えません(Labでは、貝印のDL7520という機種を使います)。
弾力をあえて削ぎ落としたメレンゲで膨らませるために、加える素材によって作り方を変える必要があり、面倒だと感じるかもしれません。
どんなシフォンを焼きたいかは、人それぞれ。正解はその人にしか分かりません。
このシフォンは、「柔らかすぎる、食べ応えがない、形が保ちづらい」という感想も、「驚くほどふわふわ、口の中でとろける、空気を食べてるみたい」という感想もどちらも正解だと思います。
だからこそ「Airy 33 Chiffon Lab」は、「王道のシフォン」を目指す場ではなく、どこまでも「儚い口どけ」を突き詰める実験室にすることにしました。
決して王道ではないけれど、この「儚い口どけ」を自分の手で作り出してみたい思うあなたの努力が無駄にならないよう、その「正解」に近づく一歩をここから一緒に始めましょう。